追補

昨日でこの前代未聞の、「契約書すり替え、現金強奪、なりすまし事件」の全貌は、書き終えた。ありがたいことにこれを読んでいただいたある読者から質問が来た。これを機会に、書きそびれた内容を追補したいと思う。

質問は次のようである。

現金を強奪されたとき、すぐ警察に言えば、金の流れから、警察は強奪を立証してくれて、秀雄は逮捕されたのではないか。

私も言葉足らずのところに気づいていたが、まさかお読みいただいている人がいらっしゃるとは思わず、筆を下ろしてしまった。ご指摘のとおりだと思うが、街金業者のシナリオは周到に練られていて、警察が介入し、秀雄が呼び出され、街金業者から借りた金はどうしたと聞かれることも予測していた。文中で申し上げた通り、これは、街金業者得意の「手形のパクリ」からヒントを得た、犯罪だったのであらゆる可能性を想定して行動していたはずである。そのため、おそらくは、回収した2500万円は、おろした銀行へそのまま戻し入れ、秀雄に渡した500万円は、何らかの名目で経費で出金したことにしたのかもしれない。したがって、当時の帳簿には、秀雄への貸付金はそのまま残していたはずである。秀雄も個人の確定申告では、そのまま負債としていたはずである。したがって、ご指摘の、警察へ訴えたとしても、金の流れからは、証拠がないので逮捕できなかったと推測される。

すると、同じ読者から再度質問が来た。

それでは、将来街金業者から秀雄へ、まだ返してもらっていないので返せと請求される恐れはないのか

法律上はその通りであるが、あちらの世界では、仁義があるのかわからないが、そういうことは絶対にしないという慣習があるのではないのか、と想像する。一方、万が一そう請求された場合、秀雄は自己破産するという手段もある。何よりも、彼らは、裁判という表舞台には立ちたくないという、理由もあるはずである。

この件で、井田昭子は裁判に訴えたが、相手の当事者は、秀雄のみであった。秀雄に、持って行った金を返せという裁判しか起こし得なかった。街金業者が金を貸していないという立証は不可能だったからである。

翌年被告勝訴の判決が出て、3000万円プラス利息全額を、法律上は借りたことになってしまったが、実際には1円も借りていない、藤沢商事に渡す羽目になってしまった。秀雄は、借金の返済を免れ、藤沢商事は、秀雄に代わって、昭子から元利金とも全額、回収できた。弁護士費用、裁判費用を一銭も負担せずに回収できたのだ。それらは秀雄が負担したからである。

やはり完全犯罪だったのである。

 

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